店長に怖さは必要なのか⁈~店長のための○○ #8 

店長の力になりたいARIKAです。

今回のタイトルは、店長を目指しているスタッフから実際聞かれたことのある質問です。

実際にこの質問をされた時に、私がどう答えたか。最初の答えは、「怖さはいらない」でした。

しかし、そう答えた後も気になって色々調べてみたりした結果、ある言葉に出会い、後日そのスタッフにもその言葉とともに、答えを訂正して伝え直しました。

笑顔、泣き顔、怒り顔、困り顔のスマイリーの書かれた4つのボール

・正面の「理」側面の「情」背面の「恐怖」

その時に出会った言葉が、この言葉です。知っている方も多いかも知れませんが、私はこの時が初見でした。古くからありそうな言葉でもあり、仏教用語のようでもあり、でも実際は比較的新しい言葉で、平成の鬼平の異名を持つ弁護士、中坊公平さんという方の言葉だそうです。

リーダーはこの3つの面をすべて持ち合わせていないといけないということだそうで、

正面の「理」とは、ロジカルに説明し、相手を納得させるリーダー。

側面の「情」とは、周囲の人と愛情深く関わり、成長を願う温かいリーダー。

背面の「恐怖」とは、この人のことは裏切れないと思わせる、程よい緊張感やある種の怖さを抱かせるリーダー。

このどれか1つしか持たない人は良いリーダーとは言えず、むしろ1つの面しか持たないリーダーは「困った」リーダーだと言われています。

どれか1つの面しか持っていないと・・・

正面の「理」しか持たない人は、理屈ばかりで、情に薄く、怖さもない。

側面の「情」しかない人は、所謂いい人で終わりがち。ロジカルでもなく、怖さもない。

背面の「恐怖」だけの人は、ロジカルな説明もなく、情も感じられず、ただ怖い。

確かにこれでは、どれもこの人についていきたいとはならなそうです。

では、2つの面を持っている人はどうでしょうか。

正面の「理」と側面の「情」を持つリーダーは、ロジカルに説明できて、情もある。一見するとかなり良さそうですが、怖さがないので、ここぞという時に弱さが出てしまいがちです。所謂「仲良しクラブ」的なチームを作ってしまうかもしれません。

正面の「理」と背面の「恐怖」を持つリーダーは、ロジカルに説明できて、怖さもある。つまり、情が感じられず、冷徹に思われがちです。成果を上げる人も多いですが、部下に慕われなかったり、離職が多かったりするかもしれません。

側面の「情」と背面の「恐怖」を持つリーダーは、このタイプはあまり多くないそうですが、感覚派の人であることは間違いないので、ロジカルに説明することさえ学べば優秀なリーダーへあと一歩です。

こう見ると、2つの面を持っていれば、まずまずやっていけそうな感じはあります。実際に成果を出せる人もいるでしょう。

あなたはどの面を持っていて、どの面を強化したいですか

さあ、実際にあなたはどうでしょうか。どの面が強く、どの面が弱いですか。

正面にの「理」を強化するには、「言語化と理由付け」が重要です。ここが弱い人は、感覚や感性で仕事をしていることが多いので、しっかり自分の考えや行動を言語化する習慣をつけましょう。文章を書くことも改善の手助けになるでしょう。

側面の「情」を強化するには、「仲間に関心を持つこと、実際に声をかけること」が足りていないことが多いです。まずは、仲間の良いところをたくさん見つけましょう、そして、思っているだけでは人には何も伝わらないので、ちゃんと言葉や行動で、仲間とのコミュニケーションをとることを心掛けましょう。

背面の「恐怖」を強化するには、ここが1番難しいのですが、ただ単に、言葉を荒くしたり、語気を強めたり、声量を上げたり、といったことでは強化になりません。これらをすると、「恐怖」が背面から正面になってしまうだけで、背面の「恐怖」の強化にはなりません。

では、どうしたら背面に置いたまま「恐怖」を身に付けられるのでしょうか。

「恐怖」とは「信念の強さ」の裏返しである

ここが、冒頭に書いた、私が訂正した後に伝えたスタッフへの答えです。

まずは、私が過去に出会った、「怖かったけどいい上司だったな」と思えた人たちの共通点を探してみました。やはり、いい上司だと思える人は、ロジカルで分かりやすく説明ができ、時にはこちら側に寄り添って、親身になって話を聞いてくれたり、という面がありました。しかし、もれなく恐怖を感じる瞬間がありました。

なぜ、どんな時に恐怖を感じたのか、それは、その人の「信念」に触れた時です。

普段であれば、それはその人の熱意として伝わり、逆に信念に背くようにことにより触れてしまった時には、とてつもない恐怖を感じたわけです。

つまり、背面の「恐怖」を強化するには、自分の信念を持ち、その信念をブラさず、常に言動や行動で表していることです。すごく難しそうなので、私がやったことで言うと、「白黒をハッキリさせること」です。これだけでも意識していると、自分の中の考えなどが色々と明確になっていくので、結果的に「信念」というところに繋がるのではないかと考えています。

数字や理屈だけでなく、上っ面の人気だけでもなく、

真の人望のあるリーダーになるために、是非ともこれら3つの面を磨いていきましょう。